満足のいく研究をするためのテーマを最近考えている.
研究対象とするテーマを探す時の方針は,自分にとっては少なくとも 2 つ存在すると思っている.
- 論文を読み,不足点,改善点を探しテーマとする(ボトムアップ)
- 実現したいシステムを考え,それに不足しているコンポーネントをテーマとする(トップダウン)
論文という取っ掛かりがある分,前者のスタイルで研究を進める人が多いと予想している.自分もこれまでやってきた研究は全てベースとなる論文があり,それを補う何かを提案する,ことをしてきた. このボトムアップ方式でも全然問題ないと思う. すでにあるものに積み上げることで,読み手は理解がしやすいし,方向の妥当性は既に議論されているためプロジェクトを開始するにあたって考えなければならないことが減る. 完成している分野なんてものはないし,自分がいるコンピューターサイエンスや自然言語処理は比較的新しい分野ということもあり,調査が必要なトピックはまだまだたくさんある.
が,これだけやっていても自分を完全に満足させることができない気がする. 時間がかかり,めんどくさそうで,意味不明な着地になる可能性すらあるトップダウン方式のテーマも扱わなければ後々後悔しそうとすら思う. この理由としては,単一分野にある程度の時間身を置くのならば,その時間全体を通して一つのストーリーが描けた方が振り返った時に面白いのでは,と,先日まで研究提案書のようなものを書いている時に思ったからである.
だがやはりこれを考えるのは難しい.そもそも「あったら嬉しい完成系」をほぼ無の状態から想像しようとするとどこから始めて良いのかわからない.ものすごく未来的で実現へのアプローチが全く考えられないものか,現実的すぎて面白みのない,ものになってしまいちょうど良い塩梅のアイディアはなかなか出てこない.
未来的すぎるもの,か,現実的すぎるもの,一つに注目してそこから発展させて考えるのが良いのかもしれない.そのようにしないと白昼夢にふけりながら気づいたら爺さんになっていそう.それはそれで楽しそうなのだが,それに給料を払ってくれる人はおそらくいないので,UBI が実現するか確定しない今,その路線で行く決断はできない.
研究キャリアとしての方針を決める大きな考え事なので,時間をかけたくなるが,別に誰かに見せるものではないので,一つとりあえず考え決めてしまい,それに従いいくらか行動する中で必要に応じて更新していけば良いよね.
色々考えて書いているようで空っぽの文章をだらだらと書いてしまった.これはこれで楽しいからいいや.