• 大学院で技術を学んでフリーター
  • 毎週がGWな過ごし方
  • 半年のスローライフの学びとは
  • これからものんびりゆったり過ごします
  • とりあえず最後にまとめをつけましょう

大学院で技術を学んでフリーター

こう見出しを書いたものの別にネガティブにした選択ではない. 2020 年の 3 月に大学院を卒業し,それから就職も就学もせずバイトで食いつないでかれこれ半年以上たった. 本来は今年の秋から博士の学生としての生活を始めていたはずだったのだが,昨今の状況でさらに半年フリーターとして生活することになったので,折り返し地点のメモを残してみる.

在学中に「博士に行きたいな」と思ってから卒業までの間に受け入れてくれる研究室を見つける事ができて, その進学先はドイツにあったから 2020 年秋から博士学生としての生活が始まるはずだった. 自分が当時所属していた大学院は普通に春卒業だから,卒業後半年の空白期間ができることは確定である. 半年はすぐ経つであろうと思っていたし,渡航後は最低 3 年あちらに住む事が確定しているので,バイトで貯金しつつ自分の大切な人らとのんびり過ごしながら, 興味のあることを勉強しようと思っていた. この予定通りだと,今頃 (2020-10-15) は研究のことなんてすっかり忘れて,たくさんあるビールの種類を調べながら,今晩はどれを飲もうかななんて考えていただろう.
しかしまあ年が明けてからというもの予期しない事が立て続けに起こった. 6 月の頭くらい に,新型コロナウイルスの影響を含んだ複合的な理由で開始が延期する事が決まった. まあ実際のところ学部で留年して時間の感覚が少し壊れたのか,半年の空白が一年に延長されたところで特に何も感じはしない. 一年あったなら就職して社会人を経験してみても良かったかもな,とは少し思ったが,最初から一年予定していた訳ではないのでそれは仕方がない. 

毎週がGWな過ごし方

卒業からの半年間は,学部時代からお世話になっている IT 企業で主に機械学習に関連したプログラムを書くことでお給料をいただいている. 会社でそれを専門にしている人はいないので,分析や可視化,改善できる点の発見,立案,実験,実装とインテグレーションまで全部やっている. 仕事の内容として,実際に手を動かすことよりも,メモとペンで計画を立てることの方が多いので,考える事が多く時間の使い方とかメタ的な仕事も含めて大変ではあるが, 社長さんが優しく理解もあるので現状楽しくやれている. 半年伸びたものの,今のところ問題なく渡航まで働かせてもらえそうなのでありがたい限り.

ここで週休 4 日に関して少し話題にしたい. 最近,コロナの影響もあってか休みを増やそうとする会社があるとのニュースを国で見かけるようになってきた. 正社員としてではないが,自分は今年の 2 月から週休 4 日を続けてきており,その危険性と利点両方を感じている.

  • 良い
    • 超ストレスレス → 体調崩れない
    • 趣味にたくさん時間あり → 強い充実感
  • 悪い
    • リズム崩れやすい → 体調崩れる
    • 時間がありすぎてうまく使えない → 悲しくなる

箇条書きにしながら矛盾を感じるくらい,長所と短所が表裏一体である. 予想がつくのが,目的がない状態で休みを増やすと時間をうまく使えずにズルズルと,精神と体に負担をかけることになるということ. 逆に,達成したい事があって,これまでは時間がボトルネックになっていて挑戦できなかった人とかにとっては良い制度になるだろう. しかし,日本の雰囲気的に週休を増やすと昇進ルートから外れたり,上司から白い目で見られる,みたいな事が発生することは想像に難くないので目標があるからと言って簡単に始めれるかというとそうではないかも. 社会人博士とかを取って研究職につきたい,みたいな現状の仕事を辞める前提な人にはぴったりなのかもな.
ただ,体調管理問題だけは本当に気をつけないといけないと思う. 自分はもともと大学時代から割と生活リズム等の体調管理に気をつけていたし,ちゃんとした社会人と同棲しているので,週の半分が休みの状態でも早寝早起きを基本として体調を崩すことなくこれた. が,自分の知り合いにはもともとリズムの調整が得意ではないのだが,会社によって時間が縛られているので結果として良いリズムで生活できている人がいる. 週の休みが増える事で,大きく崩れたリズムを毎週のように仕事に合わせて直す事ができるのかは怪しい. なので体調管理や日々の生産性のことを考えると,週休を増やすのではなく,一日の労働時間を減らしていく方がいい気がする. コロナによる経済的ダメージの結果,社員の給料を減らしたいがための施策だろうのでそれでも機能するはず.

話をもとに戻す. この半年で,週の半分以上が常に休みだったので,自由に使える時間は結構あった. それらの多くは,研究・非研究に関しての勉強に使った. 手元の計算機が貧弱ということを言い訳に,実際に実験を回すということはしていないがおもしろそうな論文を読みあさったり, 理解できていない概念に関して調べたりを主にしていた. また,論文を読んでいるだけでは,博士開始以降の自分の助けに直接的にならないことを危惧して,論文になりそうなアイディアをちゃんと時間をとって考えてまとめてみたりした. いくつかは,すぐに手を動かし始めれそうなアイデアができていると思う. 非研究な勉強としては,プログラミング学習になるが,多くの時間は Go 言語の習得にあてた. 本を読んだ李ドキュメントを読んだりしていた.現状のアウトプットとしては先輩と開発している,画像の簡単な合成,mongodb,を含んだ簡単な api 実装をしたり, バイト先で利用される簡単な社内ツールの実装もした. 習得からは程遠いが必要なものを最低限実装することはできるかな,というレベル.

半年のスローライフの学びとは

このようにまとめてみると,この半年で特別なアウトプットはない.主にインプットに時間を費やしている. まあ,元々そういう予定をしていたのでいいのだが,これらの学習が自分のためになっているかわかりにくいので少し不安になったりはする. 「のんびり生活」という意味ではとても楽しく暮らしているので非常に満足. と書いてみると,この半年での一番の学びとしては自分が経験したことのないライフスタイルを体験していることかもしれない. 上京してからは,

  1. 金,なし
  2. 都会
  3. 毎日登校

で,現在は,

  1. 金,ちょっとある
  2. 田舎
  3. 外出は週に一回スーパーのみ

である.地元が退屈すぎて東京に出てきた時の自分からは考えられない生活である. こうやって書くとつまらなそうなのだが,これが結構楽しくて,「もはやドイツにわざわざ行かなくてもいいんじゃね」って思う時がたまにある. とにかくストレスがないし,パソコン一台あれば考え事の対象はいくらでも見つかるので退屈はない. もちろんもっとお金を稼げるようになって,かっこいい都会の建物に住んでみたりもしてみたいが,この生活の楽しさを知る事ができたのは これから博士課程という競争社会に身を置く自分にとっては良かったと思う.

これからものんびりゆったり過ごします

最後に残りの半年をどう過ごしたいか考えてみる.
論文は当然継続して読んでいくつもりだが,せっかくなので新しいこともしたい. 気が早いかもしれないが,博士終了後の就職のことを見越した内容だといい気がする. これまでは半年まるっと使うようなプロジェクトをしなかったので,残りの半年はそんなのを考えても面白いかもしれない. Go を少し勉強したから,それをもう少し流暢に使えるようになりたいので,自分の興味と合わせて検索エンジン周辺の勉強とかいいかな. blevesearch/bleve という oss があるので,それのコードを読んで改善とかしてみたい.
あと,ここ最近大学時代の先輩とチョロチョロとアプリを作ってみたりしているのでそれも続けたい. 成功や失敗はあるが,興味が一致する人と連携をとりながら何かを作るのはとても楽しい.
研究関連は論文読み,くらいしかあげれていないのだがこれだけだとやっぱり不安になる.言語学とかの勉強とかしてみたいのだが,いまいち何から着手したらいいのかわからない. coursera で Miracles of Human Language: An Introduction to Linguistics なる講義があるので,それを受講してみるか.

とりあえず最後にまとめをつけましょう

まとめると,週休 4 日のフリーター生活を半年続けてみたが,自分の興味は常に満たしつつ,仕事で承認欲求や帰属感はある程度満たす事ができるので非常に満足という事. そして関東だが結構田舎で,近くには川とスーパーしかないのだけど,インターネットさえあればむしろそれくらいの方が自分に向いていることに気づけたのが一番の学び.